What’s 無痛分娩?
昨夜は半端な陣痛に悩まされ、ちっとも寝れてないコンディション。
昨日の恐怖に怯えつつ、じわじわ上がる陣痛促進グラフの上昇を見張ります…
昨日の経験があるさ…とチョットにわかに対陣痛への自信をつけていた私ですが、
陣痛の威力は私の想像を遥かに超えていました。
本日の陣痛は、ナイフではなく内臓を掻き出す系に進化。
陣痛グラフに合わせて、内臓が骨盤を突き破りにやってきます。
こーれは死ぬ!という、半端ない気持ち悪い強烈な痛み。
更に隣の陣痛室から聞こえる悲鳴に共鳴し、ギャーギャー騒ぎました。
そしてあの素敵な麻酔を知ってしまった私は、
「早く…早く…」と麻薬中毒者さながら助産師に掴みかかります。
さんざん勿体ぶって、麻酔が入り…それからは天国とでもいいますか。
さっきまで首締めかかっていた夫に、マッサージなんかして貰ったりして。
さあ、そしてまた甘くない時間がやってくるのです。
今度の問題は、効きすぎた麻酔による進行の遅さでした。
そう、せっかく促進したものの、麻酔が効きすぎると陣痛による子宮口の開きが弱くなっちまうわけです。
じわじわ近づく17時。16時半の時点で子宮口は9cm!
目標の10cmまではあとわずか1cm!わずかながら天地を分ける1cm!
今日無理ならまた明日なんだろうか…
そんなことになったら夜中に内臓がでてしまう…
「今日無理だとどうなるんでしょう?」とチラリと聞くと、
助産師さんは悲しそうな顔をして答えました。
「明日、帝王切開になります。」
冗談デショ???!
あの陣痛を昨日、夜中、今日耐えて耐えて…帝王切開?!
あんなに前から無痛に充てて…あげく帝王切開?!
悔しさから涙が目に溜まりました。
あと1cm!あと30分!なんか…今私にできることは?
「麻酔を切ったらどうでしょう?」
助産師に本末転倒の提案を持ち掛けました。
助産師さんは同情の顔持ちで「先生に相談してみるね」と消えていきました。
その間に手元のスマホで「陣痛促進」の手足のツボを検索し、
夫と、出産を待ち兼ねて病院に来ちゃった母にいっぺんに押して貰い、
「水分をとると子宮口が開きやすい」というアドバイスに従い、
凄い勢いでビタミンドリンクを1リットルほど飲み干しました。
麻酔を切った効き目があったのか、じわじわ戻る陣痛。
「凄いことしますね」と17時過ぎに最後に測った子宮口は、ギリギリ10cm。
さあ、あんなに憧れた分娩室への移動です!
一度切った麻酔は充分に継ぎ足され、ホッとした雰囲気が周りを包みます。
影ながら応援してくれていたのか、たくさんの助産師さんたちが次々現れ、
どことなくはしゃいだ雰囲気で分娩室まで車椅子移動。
分娩台では夫とペラペラしゃべり、助産師さんの指示に従いいきみます。
全然痛くないので全力で頑張れるいきみは、まるで懸垂か綱引き。
夫が気を利かせてドリンクを口に運んでくれますが、
先ほど飲んだビタミンドリンクは今にも飛び出しそうなほどお腹をいっぱいに満たしてました。
いきむこと小1時間…
「はい、出ますよ!」みたいな、「わー、出た~」みたいな、
助産師さんたちの盛り上がりがあっての…
私の胸には小さな小さな人間が乗せられました。
そして一息おいての…オギャア!
その瞬間の感想は「あっ!泣いた!ウケる!」でした。
あんなに長いことお腹にいて、
たくさんの時間を共に過ごした正体が現れ、しかも泣いたりして、
なんだか嘘みたいで、ウケちゃいました。
およそ2時間後、麻酔が消えた状態で部屋へ戻ります。
そのときにはもう、分娩台からピョン!スタスタ歩いて自室へ。
このままパルコへいけそうなくらい元気でした。
この度分娩を体験して、本当に母はエライ!
あんなに痛い陣痛、そして私は消したけど、その先の「鼻からスイカ」。
もう辞めたくなるくらいなのに、皆辞めないで、産むんですねー。
それにしても無痛の麻酔は素晴らしかった…
そして何よりも、今このブログからもわかるよう、
産後、めちゃくちゃ元気。
普通分娩の人を改めて尊敬しました。人間の力ってスゴイ。
そしてあんなピンポイントに使えるような麻酔を考えつく、そんな人間の力もスゴイ。
いつかあの陣痛も跳ばせるような麻酔ができたりするのでしょうか。
2013年現在の無痛分娩リポートでした。