さらば愛しのビル
以前住んでいた「エロビル」、ご存知でしょうか。
1Fがエロビデオ屋のマンガみたいな、でも本当は快適なビルです。
昨夜エロビルの前を通りました。
オヤ!と思ったら・・・・
エロビデオ屋がやっていませんでした・・・・
毎日、年中無休、12:00?26:00まで営業を続けてきたエロ。
真向かいに自然食品屋ができても動じなかったエロ。
バカなキャッチフレーズののぼりを一応定期的に変えてたエロ。
エロの店主はショボクレた初老の男性で、
最初オーナーかと思ったらちがうっぽくて、ただの雇われで、
店頭にある時代遅れのインベーダーゲーム機でたまに遊んでて、
よくぼんやりと座って煙草を吸っていました。
地域に嫌われそうなビデオ屋なのに、意外に近所のおばさんとかと挨拶しちゃって、
引っ越し間際にはちょっと仲良くなっちゃったりして・・・
気が付けば毎日お世話になってた自動販売機が撤去され、
窓を見れば元部屋始め、隣の新聞屋しか灯りが燈っておらず。
このビルもとうとう終わりでしょうか。
確かに廊下は老化してて、ドアに穴が開いてて、外灯は消えてて、
一番明るかったエロビデオもなくなった今、なんだか廃墟のよう。
素敵なビルなんだけどね。
「〇〇コーポ」とか気取らず、「?ビル」って硬派なネーミングも好きだったんだけど。
3Fの屋根のない開けた廊下からは空と電車が一望でね、
大好きな風景だったんだけど。
だけど思えばエロビデオ屋も厳しいでしょうね。
今時わざわざ顔会わせてエロなんか買わないよね。
あのオヤジはこれからどうするんだろう。
「ひとつの時代が終わった」とかいうのって、意外にこういう感じなんでしょうかね・・・・