黒ちゃんの夏休み その2
さあ大変、黒ちゃん再び出動です。
今度は東京から伊勢へ300キロ近くを真夜中に走り抜けます。
すっかりドライブ慣れした黒ちゃんは余裕の表情。
しかし伊勢の田舎には猫がいっぱい。
うようよとそこらに猫が歩いています。
黒ちゃんは猫がきらい。これは結構な恐怖です。
黒ちゃんは和室を与えられ、つかの間の休息・・・とはいかず、
猫穴から入ってくる猫たちにおびえながら、気を張って暮らしておりました。
危篤状態から3日目の朝、
いよいよ一度帰ろうということになり、東京へ出発・・・
と思ったら悲しくも祖母が亡くなりました。
ぎりぎりあと一歩のところで東京へ発つところでしたが、
予定変更で伊勢暮らしは続きます。
黒ちゃんの2間続きの和室には亡くなったお祖母ちゃんが運ばれ、
お坊さんが来てお経が始まりました。
黒ちゃんも箪笥の上からお経を聞きます。
亡くなったところに猫なんて・・・と思われる方もいらっしゃるでしょうが、
お祖母ちゃんは猫が大大大好き、でした。
お祖母ちゃんは乱暴しないので、猫にも好かれて、介護ベッドには大量の猫が家族で暮らしていました。
お祖母ちゃんも許してくれるでしょう。
さて、田舎にはいろいろ猫がおり、黒猫もいっぱい。
しかしながら皆ハナがデカイ・・・。
唯一新参者のこももは物凄い可愛い顔をしていますが、伊勢猫は鼻が立派な性質なのでしょうか。
またあんなにいっぱいいるのに、玄関先にはぼろの黒猫が一匹。
ビスビスと鼻を鳴らしながら、ガラス越しに中を眺めています。
「あれはよその子」と中には入れません。(餌はやる)
どれでもいいわけではないようです。
なんだかんだとそれから三日後、
やっとのことでいよいよ東京へ帰宅。
今度は思う存分、倒れていられる黒ちゃんなのでした。
東北いって、伊勢いって、お経も聞いて、大量の猫を見て・・・
わがままから始まって、猫生初体験づくめの夏休みだったのでした!